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上手な贈与の利用方法

  • 文責:所長 税理士 白方太郎
  • 最終更新日:2024年8月7日

1 生前贈与と相続税対策の関係

生前贈与が相続税対策になると認識されている方も多いのではないでしょうか。

そもそも相続税は、相続により財産を取得した場合に、その取得した相続財産に課される税のことで、贈与税は、個人から贈与により財産を取得した場合に、その取得した贈与財産に課される税のことをいいます。

相続税は、被相続人が亡くなった時点で有していた財産の総額を計算し、債務と葬儀費用を差し引いた金額について課税されます。

生前贈与によって、課税対象となる被相続人の財産が減りますので、課税される相続税の額も減少することになります。

生前贈与と相続税にはこのような関係がありますので、生前贈与は相続税対策になると言われています。

しかし、相続税対策として生前贈与を行うには、注意すべき点も多くありますので、以降で具体的に説明していきます。

生前贈与で失敗したケースについては、こちらでもご紹介していますので、参考にしてください。

2 生前贈与による相続税対策は慎重に行う必要がある

⑴ 贈与税の毎年の基礎控除額は110万円

贈与税の毎年の基礎控除額は110万円です。

110万円を超える生前贈与については、贈与税が課税されます

生前贈与の額が大きいと、贈与税の負担の方が重くなる可能性があるため、贈与税がいくらになるかも考慮しつつ、生前贈与による相続税対策を行う必要があります。

⑵ 贈与には合意が必要

生前の相続税対策の失敗が、相続税申告の失敗につながってしまうことがあります。

よくある失敗例が、贈与税がかからないように年間110万円以下の生前贈与をしていたのに、税務署から贈与があったと認められずに、相続税を課されてしまうケースです。

贈与が否定される典型例として、父が子と贈与契約を結ぶことなく、毎年決まった日に、子名義の口座に入金をしていたというケースです。

贈与は契約ですので、当事者双方の合意が必要になります。

つまり、贈与者はあげたと言う意思表示をし、受贈者はもらったという認識があることが重要です。

また、受贈者がもらった財産を自分自身で管理しているという実態も重要になります。

父が子に贈与をしたのに、父が通帳や印鑑を管理しており、子はその口座のお金を1回も使ったことがないという場合には、受贈者である子が財産管理をしていないと判断される可能性があります。

このような場合、せっかく相続税を軽くするために生前贈与をして遺産総額を減らしていても、結果的に贈与と認められず、相続税が課されてしまうことがありますので注意が必要です。

⑶ 贈与契約をした証拠を取っておくことが重要

仮に贈与契約をしたとしても、税務署からチェックが入った場合、証拠がなければ贈与を否認されてしまう可能性があります。

そのため、贈与契約をしたという証拠や、受贈者が財産管理をしていた証拠などを収集しておくことも重要です。

3 相続開始前の一定期間内の生前贈与にも注意

相続または遺贈により取得した財産には、被相続人の死亡前3年以内(令和6年1月1日以降の生前贈与から、3年の期間を段階的に7年に延長)に被相続人から贈与により取得した財産が含まれます。

つまり、相続または遺贈により財産を取得した人には、相続開始前3年以内に生前贈与された財産についても、相続税が課税される可能性があるということになります。

参考リンク:国税庁・贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)

そのため、できるだけ早めに生前贈与の計画を立てておくとよいでしょう。

4 相続時精算課税制度による申告の方法もある

相続時精算課税制度とは、特定の親族間の贈与について、この制度を利用して申告をすることで、2500万円までは贈与税を納めることなく贈与を受けることができ、その後贈与をした人が亡くなった時に、その贈与財産の贈与時の価額分について、相続税を納付するという制度です。

参考リンク:国税庁・相続時精算課税の選択

つまり、総額2500万円までの贈与にかかる税金を、相続時まで先送りできることになります。

贈与を受けた財産の額が2500万円を超える場合には、贈与時に2500万円を超えた部分について20%の贈与税が課税されることとなりますが、相続税を計算する段階で、支払った贈与税相当額が相続税から控除されることになります。

また、令和6年1月1日以降の贈与から、相続時精算課税制度に年110万円の基礎控除が創設されます

そのため、年110万円以下であれば贈与税はかからず、相続時精算課税の総額にも含まれないことになります。

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